top of page

きもの文化検定問題5・4級(1)

1⃣唐草模様の地紋がある綸子の白生地では仕立てないきものを月の中から選びなさい。

 (1) 黒留袖

 (2) 小紋

 (3) 色無地

 (4) 訪問着 

答え 黒留袖

2⃣黒留袖の説明として、もっともふさわしいものを選びなさい。

 (1) 既婚女性の第一礼装として結婚式、告別式に着用

 (2) 染抜き五つ紋を付ける

 (3) 地色は黒またはの一色染

   模様は裾だけで、胸や袖には付けない

 (4) 模様の技法は加賀友禅が一般的である

答え (2) 染抜き五つ紋を付ける

3⃣振袖の説明として不適切なものを次の中から選びなさい。

 (1) 未婚女性の第一礼装。

 (2) 袖丈の長さによって、大振袖、中振袖、小振袖と呼ばれている。

 (3) 古典的な模様を友禅でを染めるとされている

 (4)  一般的には、紬で作られていない。

解説   振袖→未婚女性が着る礼装用の袖の長い着物

       袖丈の長さによって大振袖、中振袖、小振袖がある

       古典的な模様からモダンな感覚のものまで豊富です

       フォーマルな着物ですから重ね衿を合わせ、やや太組の帯締め、ボリューム感のあ

       る絞りの帯揚げなどで華やかに装います

       大振袖→115センチ以上

       中振袖→95~115センチ

       小振袖→85~95センチ

    友禅→布に模様を染める技法の一つ

       日本の最も代表的な染色法である。

       でんぷん質(米製)の防腐剤を用いる手書きの染色を友禅という。

       京友禅

       加賀友禅

       東京友禅

       鎌倉友禅(あるんですよー)

4⃣後染と先染の説明で正しいものを次の中から選びなさい。

 (1) 白生地に模様を染めるものを先染めという

 (2) 糸を染色して織り上げるものを後染という

 (3) ほとんどの紬は後染という

 (4) 白生地に模様を表し、地色を染めて完成するものを後染めという

答え (4) 白生地に模様を表し、地色を染めて、完成するものを後染めという。

   先染めの特徴→布を織る前に糸や繊維を先に染色する

          チェックやストライプなどの色柄ものなどは、あらかじめ先染で色を染色る

   後染めの特徴→布を織ってから染色

          単色やプリントものなどは、ほとんど後染

          (模様を表し地色を染める)

5⃣小紋の説明で不適切なものは次の中から選びなさい。

 (1)同じ模様を一定方向に繰り返して表現したもの。

 (2)小さな模様だけで表現したもの。

 (3)型紙を使用して染めたものが多い。

 (4)一色、多色など様々な表現ができるもの。

答え (2)小さな模様だけで表現したもの

6⃣江戸小物模様で「鮫」を表す時の技法を次の中から選びなさい。

 (1)錐彫り

 (2)突き彫り

 (3)道具彫り

 (4)引き彫り

答え (1)錐彫り

解説

江戸小紋

由来

生地に染織を施す方法は様々にありますが、型紙を使い柄を染める染織の一つとして、江戸時代にその精緻さと文様の多様性が発達した江戸小紋があります。

.本来小紋とは、柄の細かい模様や、小さな柄を染めた着物のことをさし、そのなかでも江戸小紋は、特に精緻で細密な型紙を使った染め物です。

.型紙を使った染めは、江戸時代以前からありましたが、武士の江戸城内の公式の礼装着となった、本来は無地であった裃(かみしも)に、黒や、茶、藍といった渋めの色で細かな小紋柄が使われるようになってから江戸時代の後期において、型紙や型彫りの為の刃物の技術革新などに伴いその精緻さが増してきたといわれております。

.

行儀、角通し、鮫といった基本の小紋柄に始まり一見無地と見えるほどのより細かい柄へと進み、さらに裃専用の極めて細かい柄の小紋が染められるようになると、甲斐の武田藩「武田菱」、紀州徳川家の「極鮫」、加賀前田家の「菊菱」、といったように各藩が独自の「定め小紋柄」を制定して他藩の使用を禁止してゆきました。

.

武家の装束の中で次第と江戸小紋が形式化して行く一方で、上流階級である武士の衣装である小紋の文様に憧れを持つ裕福な町人を中心とする庶民の中にも、衣類に小紋の柄が取り入れられてゆきました。

.

時代は次第に商人の時代となり、形式的な武士の小紋に対し、自由に洒落た柄を江戸の旦那衆が着始め、武士の定め柄のように自らの好みの定文様を持つ豪商も現れてきたようです

.当初、小紋は町人の世界では、黒や色の無地に次ぐ男性の略服として用いられていましたが

次第に女性の衣類としても浸透して行きました

このような広がりの中、江戸時代の後半には幾何文様、草花、動物、昆虫、風物、道具・・・などなどそのバリエーションと多様性は増してゆきました。 

.

制作工程

江戸小紋は和紙を柿渋で加工した型紙を用います。まずはこの型紙を作ることが重要で、しなやかな強さが必要です。純正の和紙に柿渋を塗ることで、彫られた型紙が温度や湿度などで伸び縮みして動くことを防ぐと同時に、耐水性を増して強度を高めます。 柿渋を塗った和紙を長い時間をかけて乾燥します。ときには数年寝かせることもあります。また、乾燥の時間を短縮するために燻すという手法がとられることもあります。 型紙は主に三重県の伊勢で製作されています。江戸時代、

紀州藩から型売り業者に特権が与えられ、そこから「型紙といえば伊勢」と言われるように技術が発達し、受け継がれていきました。現在でも、江戸小紋に使われる型紙は伊勢から運ばれてきます。

型彫り

文様や意匠に従って、型を彫っていきます。いかに精密に、正確に彫ることができるかが美しい染物に仕上がるかどうかの大きな鍵を握ることになります。 型彫りには、錐彫り突き彫り縞彫り引き彫り道具彫りなどの手法があります。柄によって彫り方が異なり、使う道具も変わってきます。

▼錐彫り

型彫りの中ではいちばんオーソドックスな技法で、「行儀小紋」「角通し小紋」「鮫小紋」といった基本的な小紋柄をはじめとして、多くの柄がこの技法で彫られます。小さな三日月型の刃を型紙に垂直に当てて、回転させることで小さな穴を彫っていきます。最初から最後まで同じ大きさで彫っていくことが職人技で、熟練した技が必要になってきます。特に細かい柄を表現したものを「極」と言いますが、これは一寸四方(約3センチ四方)に900~1000個の穴が彫られています

紋鮫小紋       

極々鮫小紋

角通し小紋

行儀小紋

▼突き彫り

複雑な絵模様を彫るために使われる技法です。6~8枚重ねた型紙の一番下の紙まで綺麗に刃が通るよう、小さな穴のあいた「穴板」と呼ばれる板の上に型紙を置いて彫っていきます。

菊柄小紋

▼縞彫り

シンプルな縞模様を染める時に使用する型紙を製作する技法です。 型紙の上に定規を当てて、彫刻刀を一気に手前へ引いて縞の柄を彫っていきます。狭い幅で均等な間隔で彫っていく作業は単純ですが、これも職人の腕が必要になります。 縞の細かさによって、「千筋」「万筋」「微塵筋」と呼ばれています。最も細かいものでは、一寸の幅に33本の縞を彫ったものもあります。

縞小紋

雨縞小紋

▼道具彫り

刃先の形が花や亀甲などひとつの文様の形になっている道具を使って彫っていくものです 単純に彫っていくばかりではなく、 様々な形の刃を組み合わせることで、複雑な文様を彫り出していくことができます。

七宝繋ぎ小紋

染付け

彫られた型紙を使って、布地に染めていく工程です

約6~7メートルの一枚板の上に白生地を貼り付けます。ちょうど着尺の半反分の長さで染付けの作業をしていきます。 米糠を主とする防染用の糊を、生地に置いた型紙の上からへらを使って均一になるように塗っていきます。この糊が生地について、後の工程で色が染まらない部分になります。型紙は左右数十センチくらいですから、柄のつなぎ目はとくに慎重になります。ここでも職人の腕が問われます。 柄となる部分に防染糊を塗り終わると、次に地色を染めていきます。染料を混ぜた色糊を、生地幅くらいの大きなへらで全体に塗っていきます。

洗い

地色を染め終わると、水洗いをして糊を落とします。昔は川で反物を流して、それが風物詩ともなっていました。 地色の部分が色に染まり、糊の部分が染まらずに白く残って小紋独特の柄が出来上がります。

蒸し

色を定着させるための工程です。蒸し器の中で加熱することで、生地を傷めずに色が繊維に入り込んでいきます。

7⃣江戸小紋の説明で不適切なものを次の中から選びなさい。

 (1)江戸時代の武士の裃(かみしも)に各藩が定めた模様として使用していた模様が今も伝わっている。

 (2)小紋三役と呼ばれる代表的な模様がある。

 (3)昭和30年に「江戸小紋」として名称が認定されている。

 (4)小さな模様を絞りで表現している。

答え (4)小さな模様を絞りとして表現している。

解説

江戸小紋三役→鮫・行儀・通し  中でも「極」と名の付くものは3センチ四方に900個以上の穴があけられており大変細かい文様で最も「格」が高いものとされている。

江戸小紋五役→江戸小紋三役+大小あられ・万筋

小紋→上下の方向に関係なく模様が入っている。

   その為、礼装、正装としての着用は出来ない(江戸小紋は除く)

   染の技法・・・・「紅型小紋」「絞り小紋」「更紗小紋」など多種多様

   主な技法・・・・「江戸小紋」「京小紋」「加賀小紋」

1955年小宮康助が「昭和30年」重要無形文化財保持者として認定される

8⃣「小紋三役」と呼ばれている文様の組み合わせで正しいものを次から選びなさい。

 (1)縞・鮫・青海波

 (2)行儀・・通し

 (3)行儀・鮫・通し

 (4鮫・万筋・宝尽し

答え (3)行儀・鮫・通し

解説

製法で大別・・・・織物(紬など)

         染物(京友禅・加賀友禅・東京友禅)日本三大友禅 江戸小紋は東京友禅の1つ!

「鮫」は徳川8代将軍吉宗の生家の紀州家が用いた柄で、扇形の模様を斜めに組み合わせ、鮫の肌に見立てている。江戸小紋で最もよく知られる代表柄だ。

「角通し」は、小さな点を縦横に整然と並べ、縦にも横にも筋を通すという意味を持つ。

「行儀」は角通しに似ているが、点の並べ方が斜めになっている。お辞儀をする時、斜めに体を曲げることに由来した柄だ。

9⃣名物裂の中で間道と呼ばれる模様を次の中から選びなさい。

 (1)縞

 (2)水玉

 (3)流水

 (4)唐草

答え (1)縞

解説

【読み:かんとう】

古い縞模様の名称のひとつで、室町時代から桃山時代にかけて渡来した縞柄、格子縞、横縞、または縞の一部に浮織のあるものなど、特色のある織物を間道といいます。中国の要港、広東に由来する名称ともいわれますが、13~14世紀の中国では青と白の縞を間道と呼んでいたようです。茶道の茶器を入れる仕覆に用いた名物裂には望月間道、吉野間道などをはじめとする、名のある数多くの間道裂があります。 間道には広東、漢縞、漢東、漢渡などの当て字も用いられています。

🔟宝尽くしに含まれている模様を次の中から選びなさい。

(1)薬玉

 (2)几帳

 (3)打出の小槌

 (4)扇面

答え (3)打出の小槌

解説

「きもの文図鑑」からの抜書き

宝尽くし(たからづくし)

吉祥文様のひとつで、宝物を集めた文様です。

如意宝珠(願いのかなう宝のたま)、宝やく(かぎ)、打ち出の小槌、金嚢(きんのう、金銭を入れる袋)、隠れ蓑(かくれみの)、隠れ笠、丁子(ちょうじ)、宝剣、宝輪、法螺などを散らします。

福徳を招く文様として喜ばれ、祝儀のきものや帯などによく用いられます。

隠れ笠(かくれがさ) ・ 隠れ蓑(かくれみの)

危険な事物から姿を隠し守ってくれる。

「保元物語」で、「笠や蓑をかぶると姿が見えなくなる」と表現されている。

隠れ笠は男性の文様。

隠れ蓑は女性の文様。

丁子(ちょうじ)

どちらも丁子の図柄(実を図案化)。

南洋(モルッカ諸島)の果物(クローブ)で、平安時代、絹等と共に日本にもたらされた。

貴重な薬・香料(乾燥させたつぼみ)・染料

夫婦円満・健康・長寿

宝珠(ほうじゅ) 打ち出の小槌(うちでのこづち)

宝珠 ・・・何でも意のままに願いを叶える宝。

      「如意宝珠」(にょいほうじゅ)と呼る。

      密教の法具。       丸くて先がとがっており、その先端と両側から火焔が燃え上がっている。         

打出の小槌・・・願いを叶えてくれる敵を討つ。

金嚢(きんのう)・宝袋(たからぶくろ)  宝鍵(ほうやく)

金嚢・宝袋・・・財宝を入れる袋・巾着袋

宝鍵・・・宝の倉庫の鍵

     開く・あける  富の象徴

巻物(まきもの) 軍配(ぐんばい)

巻物・・・知恵・知識

軍配・・・勝負の采配を決定づける

分胴(ふんどう)

秤で金の重さを量るのに使うおもり。

富の象徴。

七宝(しっぽう) 花輪違い(はなわちがい)

七宝・花輪違い どちらも意味は同じ

法華経でいうところのこの世の7つの宝。

無量寿経 金・銀・瑠璃るり・玻璃はり・硨磲しゃこ・・珊瑚さんご

妙法蓮華経 金・銀・瑠璃るり・玻璃はり・硨磲しゃこ・真珠・玫瑰まいえ。

瑠璃・・ラピスラズリ

硨磲はシャコガイの貝殻


特集記事
最新記事
アーカイブ
タグから検索
まだタグはありません。
ソーシャルメディア
  • IMG_8208
  • Facebook Basic Square
  • Instagram Social Icon
bottom of page